新型コロナ感染症から医療と生活を守る緊急要望書

12月17日、内閣総理大臣、厚生労働大臣、経済再生担当大臣へ、新型コロナ感染症から「医療と生活に関する緊急要望書」を提出しました。あわせて、すべての政党、衆参両院の国会厚生労働委員へも同要望書を送り支援を求めました。

「新型コロナ感染症感染拡大にともなう先天性心疾患患者の医療と生活に関する緊急要望書」PDF

新型コロナ感染症感染拡大にともなう先天性心疾患患者の医療と生活に関する緊急要望書

 コロナ感染患者を受け入れている医療機関は限界に近づいており、影響が病院全体におよぶのではないかということが危惧されています。大阪でコロナ患者を受け入れている病院で看護師が足りないためにがんのAYA世代専門病棟が閉鎖されるという事態が起きています。名古屋市では陽性患者・職員が確認され、入院診療・該当病棟の新規入院受け入れを休止、一部診療科の手術を休止した病院もありました。今以上に感染者が増加すれば他施設でも同様のことが起きる可能性があります。2.7兆円が予算化された緊急包括支援交付金(医療分)は、いまだに8億円しか現場に届いていません。今、医療機関に対して実効性のある緊急の支援を国が行うことが望まれています。
 自治体で予算が足りないために検査体制を拡充できないという事態が起きています。無償で、誰もがどこでも、何度でも検査が受けられる体制を整えることが、感染拡大を予防する一番の施策と考えます。とりわけ、医療従事者や福祉職員など、命と暮らしを支えている人たちと、重症化リスクの高い患者・障害者を守るための「社会的検査」を拡大していくことは緊急の課題です。
 また、公的医療費助成制度や障害者への手当・年金の更新申請手続きについては、特例措置を来年3月以降は継続しないということが示されました。経済的な理由で医療が継続できなくなったり、手当・年金の支給打ち切りのために生活不安に陥ったりすることがあってはなりません。当面は感染リスクへの回避を行うことが必要とされることは明白であり、これらの措置を柔軟に継続することが必要です。
 雇用問題については、先天性心疾患患者は就業時間や仕事内容への配慮が必要なために、不安定な非正規雇用を選ばざるを得ない状況です。そのようななか、障害者の雇用の打ち切りや減収による生活困窮への不安を抱いています。雇用の安定を図る企業への支援を充分に行うとともに、患者・障害者本人への就労と生活支援策が必要です。
これらのことから、以下、要望いたします。

【要望事項】
1.新型コロナウイルス感染症の感染防止策は都道府県まかせにせず、国が迅速かつ充分な対応を行ってください。
2.先天性心疾患患者が必要としている医療を安心して受けられるよう、新型コロナウイルスへ対応している医療施設に対する財政的な支援や、医師や看護師をはじめとした医療従事者に対する十分な補償金の支給と人材確保を速やかに実施してください。
3.重症化リスクの高い慢性疾患・障害者に対する感染を防止するために、医療機関、障害児・者の福祉施設、学校、保育園などにおいて、職員と利用者に対しての定期的なPCR検査を実施してください。また、慢性疾患患者・障害者に対して必要な検査は無償で行えるよう、自治体への財政的な支援を強化してください。
4.小児慢性特定疾病や難病、自立支援医療等の公費負担医療の更新申請手続き、障害年金や障害児者の手当は、感染が広まっている地域に住んでいる人や、県外の医療施設にかかる必要がある人については更新の手続きを猶予するといった個々に応じた柔軟な対応を行ってください。当面、障害基礎年金の支給打ち切りは行わないでください。
5.慢性疾患患者・障害者の雇用が打ち切られるといったことを防ぐための対策を講じてください。また、企業が経営困難のために雇用が継続できない場合の患者・障害者本人に対する生活支援策を講じてください。
6.新型コロナウイルスのワクチン接種については、重症化リスクの高い先天性心疾患患者を優先接種の対象としてください。