「新型コロナ感染症拡大のなかでの心臓病児の学校生活アンケート調査結果」と緊急要望書を提出

新型コロナウイルス感染症の感染が広まり、全国一斉休校、そして再開と、かつて経験のしたことのない状況でした。そのなかで心臓病児はどのような学校生活を送っていたのか、全国の会員にアンケートを実施しました。その結果、36都道府県、209世帯からの回答が寄せられました。
そして、アンケート結果の集計結果と会としてのコメントを以下にまとめて公表をしました。また、その分析内容と寄せられた声にもとづいて、緊急要望書を国へ提出しました。

新型コロナ感染症拡大のなかでの心臓病児の学校生活アンケート調査結果 pdf
新型コロナウイルスに関わる緊急教育アンケート を踏まえた要望書 pdf

<新型コロナウイルスに関わる緊急教育アンケートを踏まえた要望書>
2020年11月5日

先天性心疾患患者は新型コロナウイルスに感染すると重症化リスクが高いと言われています。そのため、「もしも感染してしまったら…」という親の不安はとても大きく、親や同居しているきょうだいや家族も「絶対に感染することはできない」という思いでいます。
そのようななか、「密」な状態の学校に通わせていいのか?ということは大きな問題でした。病児のいる家庭では、感染への不安に加えて、学習の遅れに対する不安、友だちとの関係、子どもと親のメンタル面での問題など、コロナ禍がはじまってから、様々な悩みを抱えながら過ごしています。また、病児のきょうだいについて配慮が必要なことはあまり認識されておらず、ほとんど支援はありません。いまだに新型コロナについては未知の部分が多いため、どのように怖れていいのかわからないまま、さらに、行政の方針も二転三転したなかで、病児も親も心身とも疲弊しています。新型コロナ感染拡大の第3波の到来や、インフルエンザの流行をむかえる冬の到来をむかえる今の時期こそ、今後の対策をしっかり検討していかなければなりません。
当会の会員を対象に実施したアンケートの結果を踏まえ、以下要望いたします。

【要望事項】

● 学校での感染防止対策の徹底を
 子どもも大人も、マスク着用、手洗い、消毒、換気、体調管理といった基本的な感染予防の徹底が必要なことは当然のことです。しかし、感染が広まっている最中でも十分徹底されてこなかった様子がうかがえました。まずは、教員の意識を高めていくこと、そして、児童が正しい感染予防の習慣を身につけていけるよう徹底してください。

● 教員を大幅に増員して20人学級の早期実現を
現在、1クラス40人(低学年35人)という児童生徒数では、密な環境を回避することはできません。また、教員が一人ひとりの子どもたちにより目を配ることができるようにするためにも、少人数学級は早期に実現しなければなりません。コロナ禍が終息した後でも、障害・慢性疾患をもつ子どもが、普通学級で一緒に学べる環境を作るためにも、クラスの少人数化は必要なことです。教員の人数を増員して20人学級を早期に実現してください。

● 医療と教育との連携によりその子にあった教育の実現を
病児の状態を理解していて、親が一番頼りにしているのは心疾患の主治医です。コロナ感染時の重症化リスクの把握や、普段の体調管理には主治医の判断が必要です。刻々変わっていく状況のなかで、正しい知識と情報にもとづき対応することが何よりも大事です。そのために、学校と主治医が密に連携をとるように周知してください。

● オンライン授業の環境整備と授業内容の充実を
国はオンライン授業を推進しようとしていますが、地域や学校によっての対応の差は大きく、いまだ整備は進んでいません。まずは、すべての学校で環境を整えて実施できるようにしてください。そしてさらに、その授業内容が充実したものになるよう、国が好事例を示したり、モデル事業を行うなど、具体的な方法を現場に伝えてください。またその際、感染リスク防止のために休まざるをえない子どもを置き去りにすることがないよう、問題を抱えている児童の家庭を優先的に支援したり、通常の授業とオンライン授業を併用したりするなど、個々の状況に応じた柔軟な対応を行うようにしてください。

● 親や子どもが安心して相談できる窓口を
コロナ禍において、病児も親も大きなストレスを抱えています。感染のリスクから学校を休まざるをえない子どものストレスを軽減することや、自主的な休校がいじめなどにつながらないようにすることが必要です。そのために、子どもや親が抱えているメンタル面での問題を、いつでも安心して相談できる窓口を作ってください。

● コロナ対策だけではなく根本的な教育の在り方の検討を
コロナ禍は、日ごろの問題を大きく浮き彫りにし、何を大事にしていかなければならないのかを明らかにしました。何よりも問題なのは、様々な課題が地域や学校現場に任せきりになっていることで、子どもたちのおかれている状況に大きな格差が生じていることです。今こそ、国として根本的な教育の在り方を見直して、どこにいても、安心して学校に通わせることができる教育環境を実現させてください。